歯の治療を受けたとき

  • 解説

歯の治療費は自費または保険の2本立て

歯科の治療は保険診療と自費診療の2本立てになっています。ほとんどの必要な治療は健康保険を使って行うことができますが、費用はかかっても見た目の自然さや耐久性を重視したいなどの理由で、自由診療を選択することもできます。
また、インプラント(人工歯根技術)などの保険で認められていない治療をしたり、各治療のために最低限必要だと認められている以外の材料を使用した場合のほか、歯の健康診断、虫歯予防のための処置、歯列矯正などは健康保険の対象外となり、自費診療になります。(医療費控除の対象となりますので領収書は大切に保管しましょう。)
なお特例として、前歯の鋳造歯冠修復・歯冠継続歯については、保険で認められない材料を使っても、保険診療で認められている材料費に相当する額が保険外併用療養費として支給され、その差額だけを負担すればよいことになっています。
歯科治療の保険外併用療養費制度は、このほかに金属床総義歯、13歳未満の方に行われるフッ素塗布・シーラントに認められています。

事前にしっかり要望を伝えましょう

保険で治療をしてもらいたいときは、歯科医にかかる際に、はっきりとそのことを伝えましょう。自費診療や保険外併用療養費制度での治療を受ける場合でも、あらかじめどれくらいの料金がかかるかを確認しておくことが大切です。
納得した治療を受けるためには、診療のしくみをよく理解するとともに、治療に入る前に歯科医とよく相談して、後でトラブルが起こらないようにしてください。

歯の治療はこのように行われます

歯冠修復(むし歯で欠けた部分を、つめたりかぶせたりする)

治療の種類 治療の方法 保険診療 自費診療※
充てん
むし歯の部分を削り、穴へ材料をつめる。初期のむし歯に行われる。 アマルガム、レジン(合成樹脂)など ハイブリッドセラミックスなど
鋳造歯冠修復
(インレー、クラウン)
むし歯で欠けた部分が大きくなった場合、型を取り金属で鋳造して元どおりにする。 金銀パラジウム合金、銀合金など 金合金、白金加金、セラミックス、ハイブリッドセラミックスなど
前装冠
むし歯の部分が大きくて、充てんやインレーでは回復できない場合、天然歯に類似した色調の材料で表面を覆う。 前歯の硬質レジン、前装冠 セラミックス、ハイブリッドセラミックス、臼歯の硬質レジン前装冠など
ジャケット冠
前歯と小臼歯に用いられ、天然の歯に類似した色調をもつ材料で、見える面を覆う。 硬質レジン セラミックス、ハイブリッドセラミックス

欠損補綴(なくなった歯を人工歯で補い、元どおりにする)

治療の種類 治療の方法 保険診療 自費診療※
ブリッジ
なくなった歯の両隣りの歯を支台として、ダミー(なくなった歯の代わりの歯)と連結して固定装着する。 支台歯には鋳造歯冠修復、前装冠等が使われ、ダミーの材料は、金銀パラジウム合金、銀合金など。白い部分には硬質レジンが使われる セラミックス、ハイブリッドセラミックス、金合金、白金加金など
義歯
(入れ歯)
取り外しのできる入れ歯。歯が全部ない場合の総義歯と、部分的にない場合に残った歯に鉤(クラスプ)をかけて作る部分義歯がある。 床はレジン、人工歯はレジン歯、陶歯。クラスプには金銀パラジウム合金、コバルトクロム合金など 床は金属、クラスプには金合金、白金加金、クラスプのない義歯や白いクラスプの義歯、マグネットを使った義歯など

※条件によっては一部保険診療となる場合があります。